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08 空間デザインから畳を伝える|田中畳店4代目 田中宏幸

3/22/2019

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ベンチャー企業、CGクリエイターを経て、「もっと畳業界を盛り上げたい」と語る畳職人にお話を伺ったら、畳の世界のその次を垣間見ることが出来ました。
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Interviewee Profile
​田中宏幸(Hiroyuki Tanaka)
1980年10月11日生まれ。 2010年より東京都大田区池上、柳井畳店にて柳井博を師事し修行。 現在、業界では珍しくなってしまった手作業をベースにしている。 2018年1級畳技能士取得。 一般住宅からお寺、茶室、料亭等の畳工事に携わる。

田中さんの人生グラフ

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「何事も経験だから、いっぱい悩んでもがけ」


今日はお時間をいただきありがとうございます。テレビ番組を拝見して私達から連絡させていただきましたが、こうしてお話できるとは思ってもみませんでした。ぜひ今日はよろしくお願いします。
テレビからこうして来てくれるのだと知り嬉しかったです。よろしくお願いします。
田中さんは、いわゆる町の畳職人さんのイメージからすると、異例のキャリアを歩まれていますよね。今まで、どんなことをなさっていたか教えていただけますか?
この大森で生まれて、高校までを過ごしました。小中学校は野球部、高校ではテコンドーの道場に通っていました。大学からは関西に行き、ラクロスに熱中していました。卒業後、関東に戻って初めに入社したのは植栽のベンチャー企業でした。営業を経験後、CG製作会社へ転職し、CGクリエイターとして活動していました。そして数年前、30歳で畳業界へ入ったという流れです。
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ベンチャー企業にいらしたり、CGクリエイターをなさっていた畳職人の方はいらっしゃらないのではないでしょうか。幼少期から「継いでほしい」というようなお父様のご意向があったのでしょうか?
それが、何もなかったんですよ。むしろ、触るなと言われていたので、手伝いをしたこともありませんでした(笑)。当然、継ぐとは微塵も考えていませんでした。実家が畳屋であることを特段意識することもなく、ゲーム好きな普通の野球少年でした。
そうなのですね!そんな田中さんが畳職人となられた人生のターニングポイントは何だったのでしょうか? 
今のところ3つあると思っています。1つ目は、大学で関西に行って、ラクロス部に所属したこと。2つ目は、植栽系ベンチャーで自分を育ててくれたマネージャーとの出会い。3つ目は、CGの会社に入ったことです。
これら3つに通じているのは、「何事も経験だから、いっぱい悩んでもがけ」ということだと思っています。これは父の言葉で印象に残っているもので、自分の中に染み込んでいるのかもしれません。
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畳には、まだまだ可能性がある


畳を使う建物は、比較的縮小傾向にあるのではという印象があります。畳以外の世界にいらしたからこそ、気付いたことや感じていることはありますか?
実際に、畳の需要はどんどん減ってきています。本来、日本人が抱く畳に対しての印象って悪いものではないと思うんです。やっぱり畳の部屋は落ち着くとか、安心するとか。それでも、最近では日本人の畳への関心がなくなっているのかもしれません。私は、畳が無くなる前に、まずは畳がどんなものなのかを、ひとりでも多くの方に知ってもらいたいと思っています。畳の歴史や効果って、意外と知られていないですよね。畳屋さんには、そのような畳自体を知ってもらう努力も求められているのではないかと感じます。
そのような現状を知った上で、畳業界に入られた田中さんは、これからどんな方向に進んでいくのでしょうか?
まずは畳を伝えることに、フォーカスを置きたいと思っています。畳の種類や、作る過程にも様々な手法があります。私が畳を替えるご依頼を受けた際は、それらを十分に説明し、納得していただいた上で選んで頂くことを心掛けています。また、私のように手縫いをベースにしている畳屋さんも、日本でほとんどいなくなってしまいましたが、手縫いでしか出来ない畳のスタイルも最大限生かしていきたいです。
あとは、「畳はダサい」という印象をなくしていきたいです。畳って、空間の一つの要素にしか過ぎないので、照明や色など、他の要素を変えればもっと面白い空間になるんじゃないかと思っています。CGのスキルを活かし、畳を使った色々な空間デザインをブログ等で発信しています。畳には、まだまだ可能性があると思うんです。まだまだできることはある。ある意味、賭けに近いかもしれませんね。だからこそ、私はこの逆境でどうやるかを考えたいのです。
(田中さん制作のCG作品例)

「いざという時の本質」


田中さんがこれから作られていくのは、どんな道なのでしょうか?
誰も通ってない道だと思います。私の目標は、単に畳をつくって売ることではありません。日本だけでなく世界中で、いかなる場所においても和空間のコーディネートを創り上げることで、もっと畳業界を盛り上げたいです。私には、手で畳をつくるという武器もあれば、畳業界の外の世界を知っているという武器、そしてクリエイターとしての武器があります。これらを最大限に活用することで、新しい提案ができると考えています。
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田中さんがいつも心に刻んでいることはありますか? 
「いざという時の本質」という考え方が強くあります。何か想定していないことが起きた時にこそ、人の本質って出てくると思うんです。自分がこれから進んでいく道にも、たくさんの想定しないことが現れると思います。そのような時に、常に最高の状態で反応できるために、鍛え続けたいと思います。ちょっと体育会系の一面が出てしまいましたね(笑)。でも私はそう思っています。夢っていう言葉は好きじゃないので、夢ではなくて目標にしたいです。
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Interviewers: 北村勇気、Kaoru
Place: 田中畳店
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